2011年4月5日火曜日

きのう見た夢



歩いて歩いて歩いて

ず~っと歩いて、家族の様子を見に行った。

窓からそっと家の様子を見ていると

家族は、みんな楽しそうに笑っていた。


僕は安心して歩きだした。



歩いて歩いて歩いて

ず~っと歩いて、友達の様子を見に行った。

窓からそっと家の様子を見ていると

友達は、みんな楽しそうに笑っていた。


僕は安心して歩きだした。



歩いて歩いて歩いて

ず~っと歩いて、実家の様子を見に行った。

窓からそっと家の様子を見ていると

実家でも、みんな楽しそうに笑っていた。


僕は安心して歩きだした。



歩いて歩いて歩いて

ず~っと歩いていたら、僕の名を呼ぶ声が聞こえた。

声のほうをそっと振り返ると

誰かがさみしそうに泣いていた。


僕は心配で歩きだした。



その声のもとへ、まるで吸い込まれるように・・・



そこでは本当に必要とされている気がした。

2011年3月30日水曜日

海に生まれて



海はいいね
波の音 風の声

海は怖いね
大きな牙 鋭い爪

海はいいね
日向ぼっこ 美味しいお魚

海は怖いね
高い壁 深い渦

海はいいね
子供たち 笑い声

海はいいね
泣いたけど 笑ったね


海はいいね


いつの日か帰ろうね


海がいいね

海に帰ろう

2011年3月29日火曜日

最悪のシナリオ




仕事も街も、友達や親類も残し

愛する家族と南の島へ旅立とう

不安や恐怖から解放されて

平穏な暮らしをはじめよう

「温かいなぁ」

「幸せだなぁ」

笑顔があふれる



新天地での暮らしに期待を寄せながら

鼻歌交じりで引越しの荷物を解いていると・・・



地面が激しく揺れ

風が舞い

海がざわめく



慌ててテレビのスイッチを入れると

住み慣れたあの街は瓦礫の山となり

赤々と燃え盛る火の海に



仕事も街も、友達や親類もそこに居る

僕は生涯、笑えないかもしれない。


おわり





任務を遂行している使命感を持った人たちを信じよう
波に飲み込まれなかったこの街で暮らす皆を信じよう
残された街や命がもっと大きなものを救う日を信じよう

それでも地面が揺れ黒い煙が迫ってきたら・・・
命からがら家族を守ろう